2011/04/25

考え事しているときに「何考えてんの?」って質問されると結構困ります。

ジャフナ旅行、良かったです。
まだまだ気軽に行ける場所ではなくて、紛争の傷跡も沢山残ってる。
普段意識しない平和とか民族って問題について、色々と考えさせられる旅でした。

まあ書くと長くなりそうなので、詳しくは気が向いたときに。
ということで今日は別の話題。

うちの地域ではフィールドワークの一環として、
子供会での日本文化教室みたいなものを開催しています。

普段は日本語教えたり折り紙教えたりといった程度なのですが
さすがにそれだけでは飽きてくる。子供がではなく自分自身が飽きてくる・・

ということで今新しく考えてるのが、まあひとつ日本の小話でも聞かせてやろうかと。
それもちょっとクイズ形式にして簡単なディスカッションでも出来たらいいんじゃないだろうかと。
そんな風に思い立ったわけです。

元々はオフィサー達と話していた時に、5Sやカイゼン運動などの啓発活動ができたらいいよね、
とか言ってたからなんだけど、そしてそんな話は5秒後にオフィサーは忘れていたけれど、
特に子供たちと絡む機会があるのだから彼らに考えさせられる小話でも提供したら面白そう・・と思ったわけです。

そこでとりあえず日本の有名な話をシンハラ語に訳す作業を始めました。
最初の題材は「ホトトギス」の話にしてみた。特に思い入れとかはない。

かの戦国武将、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の3人の性格をホトトギスの鳴かせ方で謳った詩ですね。
そのまんまではただの詩の朗読になってしまうので、子供たちにはその場でそれに合わせた詩を作ってもらおうかと考えています。

まあ最初はかなり難しいでしょう。正解のない質問というのは慣れてないと難しいでしょう。
ただ子供たちに「???」マークが付くこともまた面白いと思うのです。
自由に発想するという作業はこの辺の学校であまり重要視されていないと聞いているので。


そんなわけで(暇つぶし的に)作業開始したんですが・・いきなり壁にぶち当たります。
一応訳詩は自分で簡単に作って、あとでオフィサーにチェックをかけてもらったのですが
「この表現はちょっとおかしい」「ここはこうしたほうがいい」と直してもらってるうちに
いつの間にかほとんどの文章が改変されていき・・ちょっと待て、話変わってなijoi... う、うわぁぁぁー・・・

(10分後)

うーん、信長なんかいい奴っぽくなってるし・・秀吉をプライムミニスターだとか言って勝手に納得しだすし、皇室の人を登場させようとするし、訳が分からん。。何が起こった・・

草稿の時点で、出来る限りスリランカ人にも馴染みやすいよう気持ち的に軽いテイストにしておいたのだが、それが裏目に出たか・・ 例えば、実際は武将本人たちが詠んだ詩ではないけど話の都合上そういうことにしておいたりと。

3人の性格を表した鳴かないホトトギスへの対処法。そしてそれぞれの運命や生き様。
どうやらスリランカ人にとっては、このホトトギスの例え話、表現方法はあまりピンと来ないようです。これも感覚の違いでしょうか。
こっちの人は結構詩の朗読とか好きだし、すんなりいけるかと思ってたんだけど甘かった。

ちなみに最初の出だしは「信長、秀吉、家康の3人が仲良くお茶をしているところにホトトギスが飛んでくる」という、いかにもスリランカ的でオフィサーたちが想像しやすいシチュエーションに改変しておいたんですが・・さらにその後ホトトギスに向かって詩を詠み始めるという、素晴らしいスリランカンコンボじゃないか・・

いや本当にこれ、思い付いたときは結構イケると思ったんだ。
いまはおれが泣きたい気分、ホトトギス。

2011/04/12

シンハラ正月

4月の13日、14日はスリランカでのお正月となります。
前日にあたる今日は村でお祭りがあるみたいです。村のミスコンとかもあります。
若い人とか家族連れが続々集まってきています。そして相変わらず爆竹の嵐です。

さて自分はといえば、13日から日本人同士でのジャフナツアーに参加します。
ジャフナはスリランカの北端、内戦の影響が最も色濃く残る地域の一つです。
渡航制限はだいぶ緩和されてきているみたいですが、いまだ日本人が気軽に足を運べる場所ではありません。観光というより社会科見学みたいな気持ちで行きます。
自分の村から少し離れて、また別のスリランカの一面が見れることでしょう。

ジャフナはアルファベット表記でJAFFNAですが、こちらの発音では「ヤーパナヤ」と言います。ちなみにジャパンは「ジャパーナヤ」です。似ています。

そのため「ジャフナに行くんだ」というと、
「お土産買ってきてね」とか「また帰ってくるの?」とか聞かれます。
完全に日本に行くと勘違いしている人たちがいます。

そしてめんどくさいのでいちいち訂正しない自分がいます。
桜咲いてないかなージャフナ。いやジャパーナヤ。

2011/04/06

クリケットについて書いてみたらこんなに長くなりました。

一ヶ月ほど続いたクリケットW杯。
決勝まで勝ち上がったスリランカ代表ですが、
最後の最後で惜しくもインドに敗れ、準優勝で幕を閉じました。

なんでも15年ぶりの優勝を掛けた一戦だということで
決勝の試合の日は国中が大騒ぎ。道は爆竹の嵐でした。

このクリケットという競技、
現地在住の日本人の間でもあまりルールが知られていないようです。
自分も今回のW杯を見る前までは、せいぜい「あ~あのでかいバットでワンバンした球を打ちまくるあれ?」くらいの印象しかありませんでした。
多分このブログを読んでくださってる方々もクリケットとは何ぞや??って人が多いのでは。

そこで・・

~ 5分でわかるクリケット講座 ~ これでアナタも知ったかキング
まあ自分も今回のW杯だけを見て理解しただけだし、
試合によって適用ルールが若干違うらしいから細かいことは無しで説明します。

クリケットとは一言でいうなれば、
「持ち球制限付き9アウト交代制の最終回から始まる野球みたいな競技である。」

スリランカとインドによる決勝戦。
先行のスリランカは274点を取りました。前述した通り、クリケットは「デカいバットでワンバンした球を打ちまくる」競技なので点数は野球の比ではありません。攻守交代までダラダラと打ちまくります。
その間取られたアウトは6つでしたが、持ち球を全て使い切ったのでこの場合も攻守交代となります。

そしてインドの攻撃。スリランカは守る側です。
いきなり最終回みたいなもの(一回表と裏で試合終了)なので、
つまりインドは275点を取った時点でサヨナラ勝ちです。
守る側のスリランカは9つアウトを取るか、持ち球を投げ切って273点以内に抑えれば勝ちです。
ある意味わかりやすいですよね。

それではどうすればアウトになるのか。
打球をフライで取ったり走者を刺したり。これは野球とほぼ一緒ですね。
またはバッターの後ろにある棒(ウィケットと呼ばれる)を倒す。この2通りです。
野球に似てますが、ストライク=アウトみたいな感覚です。
しかしクリケットは「デカいバットでワンバンした球を打ちまくる」競技なのでそう簡単にアウトになりません。運悪く最初の1球で終わることもあれば、一人で100点以上取れることもあります。

攻撃に関しては細かいルールはわかりませんが、
ボールを打ったら二人でベース間を往復して、その回数に応じて点数が入る。
外野まで飛んだらバウンドの有無などに応じて3~6点が入る。まあホームランですね。
要するに守る側は、なるべく早くアウトを取るか、大きな当たりを打たせないようにすることを目指します。

大体こんな感じでガッテンいただけたでしょうか。
ガッテン、ガッテン。



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~ 追伸 あの空のむこうに ~

それでは追加。あの決勝当日にスリランカでなにが起こっていたか、
あの日のスリランカ人の喜怒哀楽の変化を時系列で追っていきます。

まず試合開始は2時。トスで勝ったスリランカは先行を選択します。
まず最初の打者。たぶん巧い人なのでしょう。戦略上、いい打者は早めの打順です。
大体1~3番くらいまでにクリーンナップを用意するみたいです。

しかしこの人たった2球でアウトになってしまいます。
クリケットは「デカいバットでワンバンした球を打ちまくる」競技ですが、
こういうことも起こります。ランカ人のテンションはこの時点でダダ下がりです。

そして2番~5番バッターは30~50点くらいでしょうか。そこそこの点数を重ねていきますが、勝利には十分ではありません。息をのむスリランカ人たち。
通常の試合ですと250点~300点くらい取れれば良い感じのスコアみたいです。

しかしここで奇跡が。6番?くらいのバッターがまさかの猛攻をみせ、一人で100点以上を叩き出す「センチュリー」を達成します。ここで持ち球終了。
この最後の猛攻でスリランカのポイントは274点に。完全に優勝イケイケムードです。
夜6時過ぎくらいにすごい数の爆竹が鳴ったと思いますが、その原因がこれ。

そしてインドの攻撃。インドの最初のバッターも、なんと2球で終わります。
この時点でスリランカ人の頭の中には「優勝」の二文字が。。踊るスリランカ人たち。

しかしその後まさかの落とし穴が。アウトに取れるはずの打球を2度もフィールドプレーヤーのキャッチミスにより逃してしまうと、流れは完全にインド側に。

夜10時をまわった頃、インドは4アウト残り70球で70得点をあげれば勝利という状況に。
このスコアはスリランカにとってほぼ終戦を意味します。
テレビ画面をただただ無言で見つめ続けるスリランカ人たち・・

夜11時頃、インドのバッターが冥土の土産に放った豪快なサヨナラホームランが空に吸い込まれ、8時間以上に及ぶグダグダの熱戦に終止符が打たれました。
魂の抜け殻のようになってしまったスリランカ人たち・・


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~あとがき~

試合には負けてしましましたが、今回私はスリランカ人たちの底力を見たような気がします。
あの長時間テレビ画面を見続ける集中力・・あれをもうちょっと仕事に向けてください(泣)
クリケットというのは良くも悪くもスリランカ人向きのスポーツなのかもしれませんね。
でもルールわかったらそれなりに楽しめますよ。

以前いた野球隊員の話を伝え聞いたものなんですが、
その隊員はスリランカ人に野球を教えるときダブルプレーの取り方を指導するのに苦労したそうです。クリケットではアウトはなかなかとれないため、アウト1つ取るごとに選手も観客も大喜びします。それで野球でもフライをとったらみんなその時点で大喜びしてしまうのでゲッツーが取れないんだとか・・

色々とスリランカらしいです。
準優勝おめでとう。ありがとう。さようなら。

2011/04/01

もうすぐクィディッチW杯が開幕します。

エイプリルフールだからって必死で嘘の記事を考えてても、
そのまま日付変わっちゃったりしたら意味ないよね。

とりあえず日本時間4月2日午前3時30分まではエイプリルフール。
時差って素晴らしい。フフフ・・

なんだか最近活動についての記事を全く書いていなかった気がする。
とりあえず前回はクリケットW杯の話題を振って、そのまま振り逃げしてしましましたが
スリランカのナショナルチームは無事決勝まで勝ち上がりましたよ。
決勝戦は明日4月2日(土)、インドと対戦します。
相手も強そうですが、せっかくなので優勝してほしいですね。

ところで活動の話なんですが、
いま自分の地域で明確に動き出しているのは一村一品プロジェクトの銀細工のみ。
サンプル製品作り、日本人向けの試験的販売などボチボチ進めています。
ランカ基準で怠けがちな生産者のモチベーションを保つための大事な時期なので、
週一ペースで秘境チックな生産地の村に足しげく足を運ぶ日々です。

本当は他の生産者、他の地域産品を見つけないといけないのに、なかなかうまくいきません。
何が問題かって、傍から見てるとその村だけ贔屓しているように見えるんでしょう。
一部のオフィス関係者は自分のそんな状態に不満みたいです。

まあ活動も9ヶ月が過ぎましたが、捉えようによってはまだ1年3ヶ月あります。
焦らずボチボチ進めていきましょう。


焦っているのはお金の話。
昨日気付いたんだけど、自分のサイフのなか1000ルピーしか入ってなくて、
慌てて現地の口座調べたらこっちも8000ルピーくらいしか残ってなくて、
「あれ?今月ヤバくね?いやでももしかしたらあれ?」みたいなちょっと現実を信じられない状態になったので、とりあえずDVDで「紅の豚」を見て心を落ち着けていました。

インターネットの通信料がまだ未払い。。
4月1日付けで生活費が入金されているんだが、
それが日本からこっちへ送金されるまでの間を持ち堪えられるか・・
いざとなったらVISAという名の打出の小槌を振るしかない。。

そこそこ生活費はもらってるはずなんだけどなー
たまにこっちの人たちの持ち物見て羨ましくなるもん、特に洗濯機、携帯電話あたりね。
JICAから支給される携帯電話は、現地で考え得る限り最低レベルを極めた代物。
基本機能はSMSと電話のみ。しかし所在地表示とかトーチとか隠れ機能が充実してて、なかなか男心をくすぐる一品ではある。旧型過ぎて通常のショップではまず見かけないから、毎回どっから調達してくるのか謎。

一方、スリランカの人たちは大抵カメラ標準装備のカラー液晶である。
村でもほとんどの人が持っているから、途上国といえど携帯普及率侮り難し、である。

ついでに着メロも意外と充実している。
「着歌」みたいなのもあるし、ドラえもんのテーマが流れてきたときは正直感動した。
こないだもバスに乗っていたら懐かしい曲が・・
なんと「天空の城ラピュタ」のエンディング、「君をのせて」が流れだした。
ラピュタを知らなくてもこの曲を設定しているあたり、

あのランカ野郎、渋いセンスしてやがる・・(←ポルコ風に言ってみた)

一体どこからダウンロードしてくるんだろうね。
ちなみにシータはシンハラ語で「冬」の意味だよ。春よ、来い。