2011/04/06

クリケットについて書いてみたらこんなに長くなりました。

一ヶ月ほど続いたクリケットW杯。
決勝まで勝ち上がったスリランカ代表ですが、
最後の最後で惜しくもインドに敗れ、準優勝で幕を閉じました。

なんでも15年ぶりの優勝を掛けた一戦だということで
決勝の試合の日は国中が大騒ぎ。道は爆竹の嵐でした。

このクリケットという競技、
現地在住の日本人の間でもあまりルールが知られていないようです。
自分も今回のW杯を見る前までは、せいぜい「あ~あのでかいバットでワンバンした球を打ちまくるあれ?」くらいの印象しかありませんでした。
多分このブログを読んでくださってる方々もクリケットとは何ぞや??って人が多いのでは。

そこで・・

~ 5分でわかるクリケット講座 ~ これでアナタも知ったかキング
まあ自分も今回のW杯だけを見て理解しただけだし、
試合によって適用ルールが若干違うらしいから細かいことは無しで説明します。

クリケットとは一言でいうなれば、
「持ち球制限付き9アウト交代制の最終回から始まる野球みたいな競技である。」

スリランカとインドによる決勝戦。
先行のスリランカは274点を取りました。前述した通り、クリケットは「デカいバットでワンバンした球を打ちまくる」競技なので点数は野球の比ではありません。攻守交代までダラダラと打ちまくります。
その間取られたアウトは6つでしたが、持ち球を全て使い切ったのでこの場合も攻守交代となります。

そしてインドの攻撃。スリランカは守る側です。
いきなり最終回みたいなもの(一回表と裏で試合終了)なので、
つまりインドは275点を取った時点でサヨナラ勝ちです。
守る側のスリランカは9つアウトを取るか、持ち球を投げ切って273点以内に抑えれば勝ちです。
ある意味わかりやすいですよね。

それではどうすればアウトになるのか。
打球をフライで取ったり走者を刺したり。これは野球とほぼ一緒ですね。
またはバッターの後ろにある棒(ウィケットと呼ばれる)を倒す。この2通りです。
野球に似てますが、ストライク=アウトみたいな感覚です。
しかしクリケットは「デカいバットでワンバンした球を打ちまくる」競技なのでそう簡単にアウトになりません。運悪く最初の1球で終わることもあれば、一人で100点以上取れることもあります。

攻撃に関しては細かいルールはわかりませんが、
ボールを打ったら二人でベース間を往復して、その回数に応じて点数が入る。
外野まで飛んだらバウンドの有無などに応じて3~6点が入る。まあホームランですね。
要するに守る側は、なるべく早くアウトを取るか、大きな当たりを打たせないようにすることを目指します。

大体こんな感じでガッテンいただけたでしょうか。
ガッテン、ガッテン。



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~ 追伸 あの空のむこうに ~

それでは追加。あの決勝当日にスリランカでなにが起こっていたか、
あの日のスリランカ人の喜怒哀楽の変化を時系列で追っていきます。

まず試合開始は2時。トスで勝ったスリランカは先行を選択します。
まず最初の打者。たぶん巧い人なのでしょう。戦略上、いい打者は早めの打順です。
大体1~3番くらいまでにクリーンナップを用意するみたいです。

しかしこの人たった2球でアウトになってしまいます。
クリケットは「デカいバットでワンバンした球を打ちまくる」競技ですが、
こういうことも起こります。ランカ人のテンションはこの時点でダダ下がりです。

そして2番~5番バッターは30~50点くらいでしょうか。そこそこの点数を重ねていきますが、勝利には十分ではありません。息をのむスリランカ人たち。
通常の試合ですと250点~300点くらい取れれば良い感じのスコアみたいです。

しかしここで奇跡が。6番?くらいのバッターがまさかの猛攻をみせ、一人で100点以上を叩き出す「センチュリー」を達成します。ここで持ち球終了。
この最後の猛攻でスリランカのポイントは274点に。完全に優勝イケイケムードです。
夜6時過ぎくらいにすごい数の爆竹が鳴ったと思いますが、その原因がこれ。

そしてインドの攻撃。インドの最初のバッターも、なんと2球で終わります。
この時点でスリランカ人の頭の中には「優勝」の二文字が。。踊るスリランカ人たち。

しかしその後まさかの落とし穴が。アウトに取れるはずの打球を2度もフィールドプレーヤーのキャッチミスにより逃してしまうと、流れは完全にインド側に。

夜10時をまわった頃、インドは4アウト残り70球で70得点をあげれば勝利という状況に。
このスコアはスリランカにとってほぼ終戦を意味します。
テレビ画面をただただ無言で見つめ続けるスリランカ人たち・・

夜11時頃、インドのバッターが冥土の土産に放った豪快なサヨナラホームランが空に吸い込まれ、8時間以上に及ぶグダグダの熱戦に終止符が打たれました。
魂の抜け殻のようになってしまったスリランカ人たち・・


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~あとがき~

試合には負けてしましましたが、今回私はスリランカ人たちの底力を見たような気がします。
あの長時間テレビ画面を見続ける集中力・・あれをもうちょっと仕事に向けてください(泣)
クリケットというのは良くも悪くもスリランカ人向きのスポーツなのかもしれませんね。
でもルールわかったらそれなりに楽しめますよ。

以前いた野球隊員の話を伝え聞いたものなんですが、
その隊員はスリランカ人に野球を教えるときダブルプレーの取り方を指導するのに苦労したそうです。クリケットではアウトはなかなかとれないため、アウト1つ取るごとに選手も観客も大喜びします。それで野球でもフライをとったらみんなその時点で大喜びしてしまうのでゲッツーが取れないんだとか・・

色々とスリランカらしいです。
準優勝おめでとう。ありがとう。さようなら。

2 comments:

  1. HITORI11 April 2011 at 12:19

    ガッテン、です。

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  2. はい、ありがとうございました。

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