2010/10/10

#14 : 科学と宗教


スリランカ人といえば、とにかく質問好きな性格。結構答えにくい質問でもズバリ(空気を読まずに)質問してきて困るのですが、なかでも特に宗教についての質問は答えにくい。

こっちの人は会って話して2,3言目には「宗教は?」って必ず聞いてくる。急に聞かれても、大抵の日本人はパッと答えられないんじゃないでしょうか。

そしてこのとき「無宗教です」って答えるのはNGらしい。
「無宗教」=「無神論者」みたいな感じで受け取られ、軽蔑される可能性があるとのこと。
スリランカの場合は敬虔な仏教国のため、仏教徒というと比較的ウケがいいです。
まあ別にクリスチャンであればそう答えれば問題ないし、新興宗教でもなんでも答えられればいいんですけど。要は答えられることが重要。

ただし仏教徒といった場合、日本の仏教徒とこっちの仏教はものすごい別物なので、その辺の説明が非常にめんどくさい。大乗仏教と小乗仏教の違いは理解しているようですが、それを差し置いても生活との絡み具合が全然違います。仏教といった途端にやたら食いついてくる人もいて、そういう人にいちいち説明しているとリアルに日が暮れる。

そんなときに便利なのが「神道」という答え方。日本の宗教の一つとしてこちらでも名前は知れていて、しかも良い感じに曖昧。日本の神仏融合の価値観をうまく説明するには一番快適です。

僕も最初のほうは仏教徒といっていたのですが、「仏教徒なのになぜ寺に行かないんだ?」とか「仏教徒なのに・・」云々の質問がめんどくさくなってきたので、いまでは日本仏教、もしくは神道と答えるようにしています。一応仏教の考え方も取り入れているんだよって説明をすれば、印象としても良いし。

なおも神道について説明を求められたら、「葬式は寺で、結婚式は教会でやるような宗教だよ」とか
「神道には八百万の神様がいるんだ」とか言ってやるとわかりやすいです。とりあえず「理解できない」ってことを理解してもらえます。これ大事。

日本人は宗教の概念がないだとかいって批判的に言う人もいますが、僕はただ特定の名前を付けていなかったりカテゴライズしていないだけなんじゃないかと思います。カテゴライズ好きな日本人をしてカテゴライズ出来ないほど多様化した神仏融合の概念ゆえに「無宗教」で片付けてしまっているだけではないでしょうか。どの宗教か、が重要な意味を持つ海外でも、聞かれたときにだけ誤解なく答えられるようにしておけば、日本人の宗教観はコンプレックスにならなくて済むはずです。

写真はキャンディにある仏教徒のメッカ、仏歯寺。
スリランカに観光に来た人は必ずといっていいほど訪れるのではないでしょうか。
ここでは宗教が本当に生活の一部になっているのを感じます。

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