2010/09/05

#10 : ラトゥナプラ宝石ツアー


8月××日。 キャンディはペラヘラ期間中だというのに、 人の流れに逆らうかのように果敢にラトゥナプラ宝石ツアーへと向かう。

所要時間は直行バスで4時間くらい。
コロンボ行きとは違い、クーラーがないし本数も少ない。

僕がキャンディのバス停(通称グッドシェード)に着いたとき、時間は午後4時前だったのだが、すでに直行便はないとのこと。 仕方がないのでアヴィッサウェラというまだ聞いたことのない場所で乗り継ぐルートを選択する。

しかしこのアヴィッサウェラという土地、予想よりも遥かに遠い。
結局4時間かかってようやく到着。時刻はすでに午後8時を過ぎている。しかも雨。容赦ねぇ。
加えてバス停がただの道路なので、どうやってラトゥナプラ行きのバスに乗り継ぐのかもわからない。
焦りと疲れで段々必死さが出てくる。最悪ここで宿をとることも考える。まあ宿があればの話だが。

近くのバス停の人に聞いて回ったところ、幸いこの時間でもラトゥナプラ行きのバスがあるらしい。
乗車地点は少し歩いたところだったが、今日中にたどり着けるのならばなんでも来いという感じだ。

バスが来るまでは30分くらい待ったが、夜道なので空いていて1時間ほどで目的地へ。この辺りはアップダウンの少ない土地のようだ。
その後バス停まで迎えに来てもらいようやく遅めの夕食にありつく。
既に時刻は10時を過ぎていて、もはや疲労困憊である。夜になるにつれて雨が激しくなっていった。

翌朝ゲストハウスのコテージから外を眺めると、昨晩の豪雨で川が増水。
初めて見るラトゥナプラの景色は、まさに水没した町そのもの。
そして合流予定だった同期隊員一名が水害により移動不能になったとの連絡が。恐るべしラトゥナプラ。
宝石探しは水が引かないと難しいため、とりあえず博物館などをぶらぶらしながら水が捌けるのを待って採掘場に向かう。

聞けばラトゥナプラは随分水捌けがいい土地らしい。昼前には宝石の採掘場に行ってみる。
ここでは現地の、途上国の人って聞いて真っ先に想像するような労働者が有り得ない環境で働いていた。そこで宝石探しの見学と体験をさせてもらう。

宝石探しは基本水に浸かっての作業だったが、たった小一時間ほどでルビー、サファイヤなどが出るわ出るわ・・・というのは嘘で、残念ながら何も発見できず。まあ現実はこんなモンだろう。
てかうちらは遊び半分で来てるけど、ここの人たちはリアルに生活がかかっているわけで、なんだか考えさせられる。
だって宝くじを本職に生活してるようなレベルでしょ、これは。月給いくらなのか気になるが聞けるはずもない。

さらにその後、宝石通りへと行ってみる。ここでは宝石の(かなり怪しげな)路上販売や加工屋がたくさんいて、日本人と聞きつけるとたちまち取り囲まれて1000ルピーだとか2000ルピーだとか言って売りつけてくる。
見てる分には面白いが、しつこいやつもかなり多い。こいつらを一斉にしばけるマーシャルアーツでも身につけたいところだ。
ただし加工屋さんに関しては話は別で、ゴーグルとペンライトを使って品定めする姿や研磨する作業は素直にカッコイイし、実際安い値段でいい仕事をする人もいる。ただしどの人が有能かなんて見分けは付かないので、やっぱりギャンブルになるだろう。

お昼過ぎはこの地域で有名な滝を見に行くことに。
ここはボート(有料)と徒歩で行けば滝のほぼ真横まで行ける。
おそらく普段でも滝の頂上の真横だから凄い迫力なんだろうけど、そこは昨日の雨で増水しまくった後である。もはや滝(?)つーか激流・・バンダムとかジャッキーらへんが上から落ちてきそうなレベル。映画じゃんこれ、みたいな。。
曰く「これまでに96人が死んでいます。」ってうちらで念願の100人斬り達成!?みたいな。。
いままで旅行でたくさんの滝を見てきたけど、体感した迫力という意味ではこれがおそらくベストだろう。これ以上があるなら是非お目にかかりたいものだ。

こうして大自然の驚異をたっぷり感じたあとは、宝石の博物館に。
スリランカの宝石は、9種類の石をワンセットにしたものと、キャッツアイという猫の眼のような縦線が入った石が有名らしい。
なんだか日本のアニメを連想させる要素が盛りだくさんなことに独り驚きながら、キャッツアイのほうをまさかの衝動買い。
これどうやって使うんだろう。身につけて戦ってると魔法覚えたりするのかな?
宝石の知識がないことが悔やまれる。

なにはともあれ目的の魔石宝石も一応手に入れたし、これで今回の旅はお腹いっぱい。
最初はどうなるかと思ったけど、段々とテンションが上がっていき、最終的にはとても良いツアーでした。
前日に豪雨というアクシデントにも関わらずツボを押さえた案内をしてくれた先輩隊員は、やっぱガイド慣れしているな~と感心した。

自分はまだまだ任地について知らなすぎるので、これからは観光ガイド目線でも見ていきたいと思う。
途上国という場所は、掘れば掘るほど面白いスポットが見つかるというものだ。特にキャンディの町なんかはすでに掘りつくされた感もあるが、だからこそ探し甲斐もあるんだろう。

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